中国人の方が帰化申請に必要となる書類の一つ、国籍証明書について


中国人の方が帰化申請をしようとするときに必要となる書類のひとつに国籍証明書があります。
この国籍証明書は帰化申請者本人が中国大使館に行き、中華人民共和国国籍退出申請書を提出し申請することになります。

この国籍証明書は中国籍の方が帰化をする上で非常に重要なものになってきますので、今回はこの国籍証明書について考えていきたいと思います。

中国籍の方で帰化を検討している方の参考になれば幸いです。

中国籍の方の帰化については以下の記事一覧でもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。↓

目次

国籍証明書を取得するタイミングは?

中国人の方が帰化申請をするにあたり、書類を収集、作成する必要があります。
帰化申請に必要な書類の中には、有効期限が決められているものが存在しています。
例えば、以下のようなものがあります。

・運転記録証明書は発行日から3ヶ月

・住民票は発行日から6ヶ月

などのように、有効な期限が定められています。

その中でも、帰化申請の書類を収集する時に最も注意しなければならないことは、国籍証明書は書類が全てそろい、法務局へ申請できる状態になってから取得しなければならないということです。

つまり、法務局などから国籍証明書の取得を指示されるまで、取得してはいけないということです。
もちろん、あらかじめ国籍証明書を取得しておくことも不可能ではないのですが、

例えば、先に国籍証明書を取得していた場合において、帰化するための要件などが満たしていないことが判明したとします。
そうなると、帰化申請書類が法務局で受理されないといったケースが起こり得ます。

国籍証明書を取得しているということは、中国国籍からの離脱を意味しますので、帰化申請の書類が受理されないと、中国国籍でもなく日本国籍でもないといった状態になりますので、国籍証明書は法務局の指示があるまで取得することは避けた方が無難です。
上述した通り、国籍証明書は帰化申請の書類が全てそろった段階で取得の指示をされることになります

追記
現在は、書類が全て揃う前に、取得しても大きな問題はなく手続きを進めていくことが可能です。

国籍証明書の取得時におけるパスポートの取り扱いについて

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2016年5月から国籍証明書の取得時におけるパスポートの取り扱いに変更がありました。
2016年5月以前は、国籍証明書の取得申請をするとパスポートにハサミが入れられ、使用不可になりました。
しかし2016年5月から国籍証明書の取得申請をしてもパスポートにハサミが入れられることはなく、使用することが可能になりました。

つまり、帰化申請中にパスポートの有効期限がきれた場合は、パスポートの更新などもすることができるということです。
ただし、帰化申請中に新たなパスポートが手元に届いた場合や、旅行等で日本国外に出国した場合は、法務局の担当者に新しいパスポートの提出や、連絡をする必要があります。

パスポートの有効期限が切れている場合

パスポートの取り扱いについては、上述している通りですが、例えば、定住者の方等が長く日本に住み、パスポートの有効期限が切れているケースがたまにあります。
そのような場合でも国籍証明書を取得することができるのか?という相談を受けることがあります。

パスポートの有効期限が切れていたとしても、国籍証明書を取得することは可能です。
厳密に言うと、パスポートの有効期限が切れている状態では、国籍証明書を取得することができず、改めてパスポートの更新を行った後に、国籍証明書を取得することが可能になります。

パスポートを作っていない場合

例えば、定住者の方が同じ中国人の方と結婚し、日本で子供を出産したようなケースにおいて、子供と一緒に帰化する際に、子供のパスポートを作っていないケースがあります。

この場合に、国籍証明書を取得することができるかどうかも質問として受けることがあります。

結論から述べると、パスポートの有効期限が切れている時と同様に国籍証明書を取得することは可能です。

こちらについても、厳密に言うと、新しくパスポートを作成した後に、国籍証明書を取得することができるようになります。

そのため、パスポートの有効期限が切れている場合やパスポートを作成していない場合、両方のケースにおいてもパスポートに関する手続きをする必要があります。

パスポートの更新や新しく作成する場合も即日にパスポートは発行されませんので、帰化を検討している場合は事前に更新等の手続きを行っておくことをお勧めします。

国籍証明書の申請用紙について

国籍証明書を取得するには、中華人民共和国国籍退出申請書を中国大使館に申請しなければなりません。
中華人民共和国国籍退出申請書は中国語で書かれていますので、中国語が読めることが必要になります。
留学や就労などの在留資格を取得して日本に滞在している中国人の方は、問題いなく記載できると思いますが、日本で生まれ育った中国国籍の方の場合は、申請用紙に記載していくことが難しいかもしれません。
そこで、ここでは中国語と日本語訳をした中華人民共和国国籍退出申請書を載せておきます。

国籍証明書の取得時に必要なもの

国籍証明書の取得申請をする際に必要なものは

・パスポートと写真ページのコピー

・住民票(3ヶ月以内のもの)

・在留カードの原本とそのコピー

・証明写真2枚(3cm×4cm)

・中華人民共和国国籍退出申請書

が原則的には必要になります。

また、申請者が未成年者の場合は

・出生医学証明書

・法定代理人のパスポートと写真ページのコピー

などが別途必要になります。

また、未成年者の子供が親と一緒に帰化する場合は、当然、法定代理人となる親が同伴する必要があります。

父母のどちらが仕事の都合で、中国大使館に行くことができない時は、国籍離脱証明書の申請をすることについての同意書を作成し、提出時に申請することが求められますので、注意が必要です。

国籍証明書の日本語訳について

国籍証明書は中国語で記載されていますので、帰化申請をする際には国籍証明書を日本語に翻訳しなければなりません。
国籍証明書の日本語訳については
以下の翻訳文を参考にしてください。↓

空欄に申請者の姓名及び申請日、パスポートナンバーを記載します。
また、右下の翻訳日に翻訳した日付、翻訳者の名称、住所を記載する必要があります。

中国大使館について

大阪における中国大使館の詳細については
所在地:大阪府大阪市西区靱本町3-9-2
受付時間:月曜日〜金曜日(中国、日本の休日は除く)9:00〜12:00
電話番号:06-6445-9481
中国大使館のホームページ
となっています。
早い時間に訪れた方が、混雑を回避することができますので、早い時間帯にいくことをお勧めします。

まとめ

今回は、中国籍の方が帰化申請をするにあたり、重要になる国籍離脱証明書について考えてきました。

今回の記事で書いた通り、中国人の方が帰化申請をするには中国大使館から国籍証明書を取得しなければなりません。

国籍離脱証明書はとても重要な書類になりますので、まずは自身が帰化申請の条件を満たしているかどうかの確認を行なってから、取得するようにする必要があります。

今回の記事が帰化申請を検討している中国籍の方の参考になれば幸いです。


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この記事を書いた人

大阪市中央区で行政書士法人を経営し、帰化申請等の外国籍の方の手続きに精通し、多くの実績・経験・専門性を持っています。

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