帰化申請をする時に借金がある場合は?生計の概要について


帰化申請をするための要件(条件)の一つに生計要件と言われるものが存在します。この生計要件とは、簡単に一言でまとめると、収入等の生活状況が安定していますか?ということに言い換えることができます。
では、マイホーム(不動産)を購入した時になどに、ローン等を組むことで、借金をした場合等は、生活状況が安定していないとみなされ、帰化申請をすることはできないのでしょうか

少し話しがそれますが、帰化申請をするためには、上述した通り、収入等の生活状況が安定しているということを証明していかなければなりません。

そのための書類として、会社員の方が帰化申請をする時には、在勤及び給与証明書(給与明細書)や源泉徴収票などが必要になります。また、個人事業主や会社の経営者の方についても確定申告書の写しなどの書類が必要になり、事業経営がうまくいっているのか?ということを証明していくことになります。

もちろん、専業主婦(夫)の方が帰化申請をする場合についても、一方の配偶者の方の在勤及び給与証明書(給与明細書)、確定申告書の写しなどの書類が必要となります。

また、全ての方に共通で必要な書類に生計の概要を記載した書面を作成し、法務局に提出することになります。

今回は、帰化申請をする時に借金がある場合、また生計の概要を記載した書面について書いていきます

帰化申請については以下の記事も良く読まれていますので参考にしてください。↓

目次

生計の概要を記載した書面とは

生計の概要を記載した書面とは、その呼び名の通り、生計の内容を記載していく書面になります。

この書面はその1・その2と2枚ありますので、2枚作成する必要があります。

生計の概要を記載した書面その1の詳細

その1には毎月の収支や現在の借り入れ状況(借金)について記載していきます。

毎月の収入について

勤務先からの給与や、事業収入、児童手当などを受けている場合はその額(手取額)を記載していきます。
会社員の方は、在勤及び給与証明書(給与明細)に記載されている額を記入していくことになります。
個人事業主、会社経営者の方は毎月の役員報酬の額や、毎月の自身の収入となっている額を記載していきます。顧問の税理士がいる場合は、税理士に聞く方がスムーズに把握することができます。

また、一方配偶者にも収入がある場合は、配偶者の収入も合わせて記入していきます。

毎月の支出について

毎月の支出については、
食費・住居費(家賃など)・教育費・返済金・生命保険等の掛金・預貯金・その他(水道光熱費など)を記載していきます。
もちろん、この時においては収入と収支の合計額一致しなければなりません。

借り入れ状況も記載

生計の概要を記載した書面には、借り入れ状況を記載しなければなりません。
例えば
自動車の購入・土地・建物などの不動産を購入した時などにローン(借金)を組んだ場合は、記載していくことになります。
この時に、借入先(銀行名など)、借り入れ金額の残額、完済予定日もあわせて記載していくことになります。
借り入れがある場合は、面接時などに借り入れ状況がわかる書面を追加書類として提出するように言われることもあります。

生計の概要を記載した書面その1の記載例はこちらから↓

生計の概要を記載した書面その2の詳細

その2については、所有する不動産・預貯金・株券や社債・その他高価な動産など、自身の資産について記載していきます。

不動産

不動産については、種類・面積・時価額・名義人などを記載していきます。
帰化申請をする際には、法務局から土地・建物の登記謄本を取得して提出する必要がありますので、不動産の面積については登記謄本を参考に記載すれば問題はありません。時価額についてもおおよその時価額を記載していくことになります。
また、日本国外にも不動産を所有している場合は、それも記載しなければなりません。

預貯金

預貯金については、預入先・名義人・金額を記載していきます。

株券や社債・高価な動産

株券等については、種類・おおよその評価額・名義人を記載していきます。
また、高価な動産はおおむね100万円以上のものを記載すれば問題ありません。

生計の概要を記載した書面その2の記載例はこちらから↓

生計の概要を記載した書面その1・その2のまとめ

上述した通り、帰化申請をするためには自身の資産や毎月の収支、借り入れ状況などを正確に伝えていくことになります。
そのために、土地・建物の登記謄本や在勤及び給与証明書(給与明細)などが必要になってくるという訳です。

では、借金がある場合は、帰化するために必要な生計要件を満たしていないので、帰化申請はできないのでしょうか?

生計の概要を記載した書面については、以下の記事で詳しく解説をしています。↓

借金がある場合は帰化できる?

結論から述べますと、ほとんどの場合は借金があっても、問題はありません

押さえておくべき大事なポイントは、借金があっても生計が成り立っているのか?ということです。

例えば、
不動産を購入する時にローンを組んだとしても、毎月の返済確実に行われており、なおかつ毎月の収支マイナスではなければ、借金があったとしても問題はありません
そのように考えると、学生時代の奨学金の返済があったとしても帰化申請はすることができます。
ただし、返済予定などを帰化申請の書類に記載してく必要がありますので、返済計画は考える必要はあります。

つまり言い換えると、小額の借金でも毎月の返済によって収支が赤字だと、生計要件を満たさない可能性がでてきますので、注意が必要になります。
そのような場合は、まず生活状況が安定するまで帰化申請をするのは待った方が良いかもしれません。

帰化申請の相談で「ローン(借金)があるのですが、帰化申請はできますか?」と相談を受けることがありますが、多くの方は問題なく帰化をしています。
借金があり帰化出来るのか不安な方は、一度自身の収支の状況を計算してみてください。又は、行政書士などの法務の専門家に相談することをお勧めします。

まとめ

帰化申請をする際に借金がある場合、そして生計の概要について書いてきました。
帰化申請をするためには、生計要件(条件)以外にも満たす必要がある要件(条件)がありますので、帰化申請を考える場合は、まず始めに自身が帰化するための要件(条件)を満たしているのか?という確認から始めることをお勧めします。


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この記事を書いた人

大阪市中央区で行政書士法人を経営し、帰化申請等の外国籍の方の手続きに精通し、多くの実績・経験・専門性を持っています。

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